《空から》 2014年 167×53×26cm 漆、麻布、螺鈿、岩絵具、膠、黒曜石、大理石、etc. photo : Mutsumi Nagahashi

開催概要

彫刻の森美術館では、現代の新しい彫刻表現を紹介するシリーズの第5回として、「保井智貴佇む空気/ silence」展を開催します。
保井智貴は、乾漆や螺鈿といった古くからある工芸の技法を用いて、人間像を中心に制作している彫刻家です。『非常な速さで前進してゆく現代社会の中で、人がただまっすぐに佇む姿から感じる空気』をテーマに、自然の本来の姿を静謐な空間から表現することを試みています。それは、森や湖などの景色を思い浮かべるときの場面を想起させるでしょう。
麻布に漆を塗り重ねて乾燥を繰り返し、その上に薄く切った貝をはめ込んだ造形には、伝統的な技法と現代的な感性が融合しています。衣服に散りばめた螺鈿の光彩や瞳の貴石など神秘的な装いをまとい静止する人物たちは、日常とは異なる時間のうつろいをあたりに漂わせ、観る者を詩的な空間へと誘います。
本展では、新作を含む人間像と動物作品を交えながら、保井が展開する彫刻の姿を紹介します。

【展覧会名】 保井智貴 佇む空気/silence
【会期】 2014年9月20日(土)~2015年3月1日(日)
【会場】 彫刻の森美術館 本館ギャラリー
【主催】 彫刻の森美術館(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)
【後援】箱根町/箱根町教育委員会/フジサンケイグループ
【協力】東京造形大学/MA2 Gallery

《unusable》 2014年 13.5×21.5×10.9cm 漆、木、樹脂、螺鈿、錫粉、etc. 撮影:サトウ ノブタカ

作家略歴

1974年 アントワープ生まれ(ベルギー)
2001年 東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
2005年 第34回中原悌二郎賞優秀賞受賞
2001年 アーティスト・イン・レジテンス The Jerusalem Center for the Visual Arts (エルサレム、イスラエル)
2009〜2011年 東京藝術大学美術学部彫刻科非常勤講師
2011年〜 東京造形大学美術学科彫刻専攻領域准教授
東京都在住


主な個展
2006年 「Silence」 ブラバーマンギャラリー(テルアビブ、イスラエル)
      「保井智貴展」 中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(北海道)
2007年 「Sculpture」 メグミオギタギャラリー(東京)
2008年 「capsule」 メグミオギタギャラリー(東京)
2011年 「Tranquil Reflection」 メグミオギタギャラリー(東京)
2014年 「Light」 MA2 Gallery(東京)

主なグループ展
2012年 「メグロアドレス | 都会に生きる作家」 目黒区美術館(東京)
      「第1回 AGAIN-ST」 東京造形大学
      「色めく彫刻 | よみがえる美意識」 群馬県立館林美術館

《untitled (IGH1)》 2008年 49x19x60cm 漆、麻布、岩絵具、膠、黒曜石、etc. 撮影:サトウ ノブタカ



http://touyamakae.net/
http://www.jimushitsu.com/

関連プロジェクト

+東山佳永+安永哲郎『うつりゆく』

私達は、淡々と移ろう。
光、季節、風景、空気、日々、表情、関係、形…
動かず、変化しないようにみえるものも、動き、絶えず変化している。
淡々と変化していく。速度が違うだけだ。
日の移ろい、日々の営み、全て動き続け循環し動いているからこそ、静を感じることができる。
光があるから影を見て、生きているからこそ死を知る。
私達は、生と死も、静と動も、虚も実も、重なりあって生きている。
東山佳永

 このプロジェクトは身体と彫刻を使った展示であり、パフォーマンスでもある。
新作のモデルとなった東山佳永のパフォーマンスと、安永哲郎の音楽による往復書簡が会場内に蓄積されていく。
人物像が佇む空気感を3者によって時間と共に構築していくプロジェクト。

イベント日程
【東山佳永滞在日】
日時 9月23日(火・祝)、11月8日(土)、2015年1月17日(土)、2月21日(土)
   10時~12時 /13時~16時
場所 彫刻の森美術館 本館ギャラリー 中2階



東山佳永 kae touyama
踊り手/美術家/作家

幼少時より動きの軌跡/人の身体のラインの美しさに目覚め踊りを始める。
空間を設え、その時間に存在し、動きや言葉を編み、物語を生む。
土地や場所、建築から声を汲み、あらゆるものを素材に他者を巻き込みながら、状況や情景を構成し、時空間をつくりだす。
分野やものごとの隔たりを溶かすような活動で独自のスタイルを築き、あいちトリエンナーレ2013などの芸術祭に出品。
パフォーマンスの新たな可能性を開拓している。
また自身の企画やプロジェクト、ライブ/舞台/映像出演、執筆や朗読も多い。2014年度からsmall village(しぜんの国保育園)に拠点を設け、継続的な身体WSを行いながらアーティストとしてこどもたちと関係を築く取り組みも始めている。
http://touyamakae.net/


安永哲郎 tetsuro yasunaga
音楽家

エレクトロ・アコースティックユニットminamoのエレクトロニクス奏者として活動を開始。12K、Room40、HEADZなど国内外の音楽レーベルより多数のCDを発表。都内を中心に積極的なライヴ活動を行う一方、これまでにアメリカ、ドイツ、オランダ、オーストリア、マケドニア、オーストラリアなどの各都市でもコンサートツアーを果たしている。また、2008年より「安永哲郎事務室」名義でコンサートや美術展などの企画・プロデュースをはじめ、音楽関連の執筆、ラジオ番組の編成などを行っている。
http://www.jimushitsu.com/

《echoic》 2008年 163×50×28cm  漆、麻布、螺鋼、錫粉、岩絵具、膠、黒曜石、大理石、etc. 撮影:サトウ ノブタカ

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