彫刻の森美術館

常設作品紹介

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オーギュスト・ロダン  (フランス  1840-1917)

「バルザック記念像」1891-1898

ブロンズ 270×120×127 cm

1891年、ロダンはフランス文芸家協会から、小説家オノレ・ド・バルザック[1799-1850]の記念像の制作を依頼された。写真家ナダール[1820-1910]による肖像写真をもとにして制作した。1898年のサロンにガウンをまとった石膏像を発表したが、これが雪だるま、溶岩、異教神などといわれ、文芸家協会からは未完成であるとして作品の引き取りを拒否された。ロダンは石膏像を引き取り、終生外に出さなかった。彼の死後、1939年になってようやきくパリ市内に、ブロンズで鋳造された像が設置、除幕された。ガウンによって写実的なディテールが覆われ、大胆に要約された形態は、ロダンの作品の中でも最も現代に通じるものである。