UJINO POP'n'Glitter/LIFE LIVE ft. Bravo Komatsu
7月15日(月・祝)14:00〜
出演:UJINO AND THE ROTATORS 、ブラボー小松
プレスリリースはこちらよりご覧ください。
宇治野宗輝 ポップ/ライフ
2013年3月23日(土)~2013年7月15日(月・祝)
【開館時間】 9:00~17:00(入館は16:30まで)
【会 場】 彫刻の森美術館 本館ギャラリー
【主 催】 彫刻の森美術館(公益財団法人 彫刻の森芸術文化財団)
【後 援】 箱根町/箱根町教育委員会/フジサンケイグループ
【協 賛】 株式会社 造景社
【協 力】 山陽印刷株式会社/株式会社 山本現代/有限会社 駒自動車工業
【出品点数】 彫刻9点、平面作品4点
【趣 旨】
彫刻の森美術館は、現代の新しい美術表現を紹介するシリーズの第4回として、「宇治野宗輝 ポップ/ライフ」展を開催します。
宇治野宗輝は、90年代より、装飾トラックの電飾や電動ドリルなどの電気製品を用いて、「Love Arm(ラヴ・アーム)」シリーズをはじめとするサウンド・スカルプチャーを制作し、数々のライヴ・パフォーマンスを披露してきました。その発展形である「The Rotators(ザ・ローテーターズ)」プロジェクトでは、DJ用ターンテーブルに細工を施したレコード盤をのせたローテーターヘッドと、それに接続する一連のモーター駆動の家電製品による自動リズム演奏装置を制作しています。
こうした作品には、騒音楽器を考案した未来派のルイージ・ルッソロや、工業化社会における自然主義的な視点で時代のリアリティを見いだそうとしたネオ・ダダの影響を見ることができるかもしれません。しかし、工業化社会が成熟すると、世界を席巻していったのは狂乱の大量消費社会でした。そうした時代の只中に育った宇治野は、産み落とされた数々の製品をつなぎあわせ、“大量消費社会の自然主義”ともいえる世界観を構築しています。世界はさらに変貌し、私たちを支えて来た近代の物質文明の限界と終焉を予感させる現在、享楽と批評が同居する宇治野の作品は、過去を調査して再構築する中から未来のアートを作るヴィジョンを抽出するための実験といえます。
「ラヴ・アーム」シリーズや「ザ・ローテーターズ」プロジェクトの代表作とともに、自動車を使った大型作品の新作を発表する本展は、10年以上に及ぶ宇治野の活動の集大成となります。
UJINO POP'n'Glitter/LIFE LIVE ft. Bravo Komatsu
7月15日(月・祝)14:00〜
出演:UJINO AND THE ROTATORS 、ブラボー小松
個展の最終日、展示室でライヴをやることになりました!
フィーチャリング・ブラボー小松 (Electric Guitar)です。小松さんとは、僕がラヴ・アームで参加しているバンド「野宮真貴&BIBA」を一緒にやっています。音楽ファンの皆さんなら良くご存知だと思いますが、FILMSや東京ブラボーなどのバンド、ピチカート・ファイブのワールドツアーなどの活動により1980年代から今までずっと「エッジ」なギターサウンドでポップミュージックのシーンを作ってきた方です。今回はザ・ローテーターズと一緒にロックンロール・パーティー・オールナイト・ロング!(オールナイトは嘘です。お昼の2時スタートです。)
「POP/LIFE」展終了にあたって、僕のザ・ローテーターズを通した大量生産品の調査の暫定的な結論は、「(コンピュータ以外の)物質の世界は、1950年代からそれほど変化していない」です。タクシーは空中移動していないし、日本のヒト型ロボットも、もう少し時間がかかりそう。僕はこの10年間、世界中で中古の製品をいじりまくって、観察&制作しながら、ここ60年余を大きくひとまとまりに考えた時、この時代の根底にある近代の本質をはっきりと見て、それに対する答えを提示することが現在もとめられている!!と、強く思うようになってきました。
そして、今回フィナーレを飾る、1950年代におけるポスト第2次大戦アメリカ文化の偉大な発明である「Rock 'n' Roll」ですが、ブギウギ・ピアノをエレキギターに置き換えたような様式が基盤になっています。単純化され、より均等なビートになっており、大量生産されるレコードと放送メディアによって世界中に伝わりました。その後ロックミュージックは、リズムはさらに平坦に、音質は激しく、テンポは速度を増して行くのですが、これらは、製品を大量生産する産業機械や工場の発展やモータリゼーションとリンクしていたように思います。実際ブラック・サバスもイギーポップも「工場のノイズから自分のロックンロールが生まれた」と言っています。
現在はコンピュータで作られたドラムサウンドで朝まで踊り続け、それを警察が取り締まる、という世の中になっていますが、そんな中、僕の33.1/3RPMのジューサーとドリルとドライヤーの大量生産家電機械バンドの「グローバル・ビート」とブラボー先輩のグラマラスなエレキギターでロックンロールを再構築したら、違う未来がかすかに見えるのではないだろうか?!と、2013年にチャックベリーの1950年代の録音を聞きながら思ったのです。
宇治野宗輝
Performance View, "ETHER 09," Southbank Centre, 2009
Courtesy of Southbank Centre
【ライヴ・パフォーマンス】UJINO POP/LIFE LIVE(終了しました)
4月27日(土)11:00~/14:00~(各30分)、 本館ギャラリー2階
出演:UJINO AND THE ROTATORS
内容:UJINO AND THE ROTATORSは、展示作品の心臓部でもあるサウンド・システム「The Rotators」を楽器のように使用する宇治野の1人ユニットです。作品とともに、ジューサーやドリル、ドライヤーのモーター音を増幅し、思わず体が動き出すような強烈なダンスビートを奏でます。
【アーティスト・トーク】(終了しました)
3月30日(土)/5月25日(土) 13:30~、 本館ギャラリー
作家が作品を操作しながら、作品解説を行います。
20世紀後半日本の消費社会をバックグラウンドに、世界中で調査した大量生産品とその文化の集大成として制作された作品シリーズ「Dragon Head」「Love Arm」「Machine Theater」「Nippon Series」「The Rotators」が一堂に集結します。
家電製品を音源にしたドラムマシン「The Rotators」。ジューサーなどの音をギターのピックアップシステムとDJ用ターンテーブルを使ってビートを刻みます。
4月27日には、作品「The Rotators」そのものを取り込んだライヴ・パフォーマンスを試みます。
ポップライフ=消費物質文明を象徴する宇治野のサウンド・スカルプチャーをフル稼働させる、重要な公演です。
自動車とカラーコーン、駐車場の床材等のストリート・オブジェクトを組み合わせたメカニカル・ドラゴン。
昔の日本人が、川の流れや活火山から流れ出る溶岩、または太陽のコロナに龍神や蛇神を見たてたように、高速道路の自動車の流れにモンスターの姿を重ねて制作。
ワイパーはビートを刻みながらダンスし、モーター音は増幅される。ヘッドライトやテールランプが音に連動して点滅する。
装着して「演奏」するサウンド・スカルプチャーのシリーズ。ノイズを発生する。
宇治野の「POP」に対する回答を実践の場で提示すべく、この《ラヴ・アーム》を用いて、かつてはゴージャラス、現在は野宮真貴 & BIBA等のバンドでライヴ・パフォーマンスを行っている。
機械によるダンス・インスタレーション。
能楽のメカニカルな動きは、庇護者である将軍に所作を正確に教えるために形式化されたものだったという逸話に触発されて始まったプロジェクト。
機械が機械らしく動きつつも制御されすぎない、衣服の動きから感じられるかすかな人間の気配、獣の咆哮のようなワイパーモーターの音。
限られた技術で制御された、工業製品による機械の対話/ダンスによる古典的な舞台芸術のような表現をめざす。
20世紀の日本でよく見かけた間違ったカタカナ英語を、装飾的な立体作品に仕立てたシリーズ。
カタカナは「擬音と外来語を書くもの」という小学校で教えられた知識を元に、誤った日本的英語表現をマンガの擬音のような描き文字で表現。
カタカナは、あるときは外来文化流入のフィルターになり、あるときは遭遇時のショック・アブソーバー(衝撃吸引装置)になることで、日本固有の文化生成に寄与してきた。
家電製品や電気楽器、自動車、家具等を再構成して制作される、サウンド・スカルプチャーとインスタレーション、ライヴ・パフォーマンスを総合したプロジェクト。20世紀の物質文明を再構築する。
一般的なレコードプレーヤーと色鉛筆の挿さったレコード盤を心臓部に使い、オルゴールと同じ仕組みで、断続的にスイッチが入る家電製品のモーターの音を電気楽器の技術で増幅することで、インスタレーション全体がドラムマシンになる。
グローバリゼーション=世界の都市の均一化を背景に、宇治野はこのプロジェクトを世界中で実施している。
1964 | 東京都生まれ |
---|---|
1988 | 東京藝術大学美術学部工芸科卒業 |
2003 | 第6回岡本太郎記念現代芸術大賞特別賞受賞 |
1993 | 「ニュークラブヴィーナス」なすび画廊第三回展覧会、なすび画廊、東京 |
---|---|
2002 | 「日本シリーズ」ミヅマアートギャラリー、東京 |
2004 | 「カーマ・オヴ・サバーバン・ヴィラ(KOSV)」ミヅマアートギャラリー、東京 |
2006 | 「UJINO AND THE ROTATORS」BankART Studio NYK、神奈川 |
2007 | 「THE ROTATORS - Robertson and Phillips」ザ・ウエスタン・フロント、バンクーバー(カナダ) |
2008 | 「CROSSBAND」PSM、ベルリン(ドイツ) |
2009 | 「UJINO AND THE ROTATORS」ヘイワード・プロジェクト・スペース、ロンドン(イギリス) |
2011 | 「TRANSCRIBED」山本現代、東京 |
2012 | 「DUET」PSM、ベルリン(ドイツ) |
1993 |
「ザ・ギンブラート」銀座路上、東京 「マラリア・アート・ショウ VOL.4」DECORATIVE、東京 |
---|---|
1999 | 「コラボレーションアート」(ゴージャラス)福島県立美術館、福島 |
2001 | 「JAM:TOKYO-LONDON」(ゴージャラス)東京オペラシティアートギャラリー/バービカン・ギャラリー、ロンドン(イギリス)(〜2002、巡回) |
2003 |
「第6回岡本太郎記念現代芸術大賞展」川崎市岡本太郎美術館、神奈川 「殺す・な アンデパンダン」康ギャラリー、東京 |
2004 | 「MEDIARENA」(ゴージャラス)Govett-Brewster Art Gallery、ニュープリマス(ニュージーランド) |
2005 | 「アルス・エレクトロニカ」リンツ(オーストリア) |
2006 | 「シドニー・ビエンナーレ 2006」アートスペース・シドニー、シドニー(オーストラリア) |
2007 |
「美麗新世界:当代日本視覚文化」ロングマーチ、北京/広東美術館、広州(中国) 「THERMOCLINE OF ART - New Asian Waves -」ZKM、カールスルーエ(ドイツ) |
2008 |
「TREND OF CONTEMPORARY ART_Doing Review」慶尙南道美術館、昌原(韓国) 「PLATFORM SEOUL 2008:I have nothing to say and I am saying it」One and J Gallery、ソウル(韓国) 「KITA!!:Japanese Artist Meet Indonesia」Selasar Sunaryo Art Space、バンドゥン(インドネシア) 「AFTER THE REALITY 2」ダイチ・プロジェクツ、ニューヨーク(アメリカ) |
2010 | 「六本木クロッシング 2010展:芸術は可能か?」森美術館、東京 |
2011 | 「NJP SUMMER FESTIVAL 21 ROOMS」ナム・ジュン・パイク・アートセンター、京畿道(韓国) |
2012 |
「第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2012」シルパカラ・アカデミー、ダッカ(バングラデシュ) 「第1回キエフ国際現代美術ビエンナーレ」Mystetskyi Arsenal、キエフ(ウクライナ) |
アートソンジェセンター、ソウル(韓国)
森美術館、東京
本館ギャラリー受付にて販売中
![]() |
宇治野宗輝 ポップ/ライフ 図録 500円(税込) |
---|---|
![]() |
第15回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2012 日本参加報告書 宇治野宗輝参加 1000円(税込) |
![]() |
DVD 宇治野宗輝「UJINO and Rotators」 2100円(税込) |