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佐藤忠良 若い女 1971年

軽く腰に右手をあて、わずかに体をひねりながら、深く首を傾ける若い女性。ジーンズをつけた半裸の肉体からは、若い日本人女性の健康的な美しさが伝わってきます。佐藤忠良は、1950年代、普通の人をモデルに、長所も短所も含め日本人の本質を伝える人物像や裸婦像を制作し、日本の近代彫刻の歴史に大きな可能性を開きました。ジーンズや帽子など、現代的な衣服を一部身に着けた都会的で洗練された裸婦像は、1970年代から登場します。戦後20年以上の年月が流れ、時代とともに変わった日本女性の美は、ジーンズという現代風俗を取り入れることで、すがすがしい姿に表わされています。