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ここではオリジナル張り子のモティーフとなった彫刻作品について解説致します。 |
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受け取りを拒否されたこの作品。記念像として発注したのはフランスの小説家バルザックが初代会長を務めた文芸家協会でした。理由は「フランスが誇る偉大な作家を侮辱した」というもの。 ロダンは、この作品を作り上げるまでに多くの時間を費やしました。写真などの資料を集め、裸や着衣、頭部のみの習作を重ね、バルザック生前の寸法が残る仕立屋で服をあつらえたりもしました。結果、ロダンはこの大胆に単純化された造形にゆきついたのです。 石膏像で発表された当時、作品への評価は雪だるま、溶岩など散々。同時代に理解者がいなかったわけではありません。ブールデルは「これこそ、われわれ皆に行くべき道を示してくれるものである!」と叫びました。「バルザック」は、20世紀彫刻の出発点となったのです。 |
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見る者に、そこにはいない獲物までも想像させる緊張感を持ったダイナミックな動き。それがこの作品の魅力です。半神半人のギリシャ神話の英雄は12の功業を果たします。そのひとつが題材となった「ステュンファーロスの怪鳥退治」。 この作品は神話の中に人間の多様性や想像力を見出したブールデルの最も有名な彫刻です。王の命により怪鳥退治を行うヘラクレスを、抑制された力で表現しました。 ロダンのアトリエで助手を務めた経験を持ちながら、その影響を離れ、建築的な構造を持つブールデルの作品。それを可能にしたのは、ブールデルの強い個性と思索の深さであり、彼に建築を意識させた家具職人の父、その「家具の思い出」だったのかもしれません。 |
