「力―大/勝利―大/自由―大/雄弁―大」1918-1922
ブロンズ 375×110×120 cm、375×120×120 cm、375×130×110 cm、375×110×120 cm
「弓を引くヘラクレスー大」1909
ブロンズ 248×240×90 cm
《力―大/勝利―大/自由―大/雄弁―大》は、アルゼンチン共和国の建国の父、アルヴェアル将軍[1788-1852]の騎馬像を囲む彫刻で、独立へと導いた将軍の功績をたたえる記念像として制作された。ブエノスアイレスの広場では、高くそびえる騎馬像の四隅に置かれている。《弓を引くヘラクレスー大》は、ギリシャ神話の英雄ヘラクレスがステュンファロスの怪鳥を今まさに射止めようとする瞬間を表現したものである。1893年にロダンのアトリエに入ったブールデルは、その後約15年間ロダンの助手を務めた。彼はロダンを敬愛したが、ロダンのロマンティシズム、写実性から次第に離れ、建築物の様な堅牢さをもった「新たな現実としての彫刻」の創造を目指すようになる。作品の主題を神話に求め、造形的にはアルカイック期のギリシャ彫刻と、ロマネスク彫刻の素朴な剛健さに惹かれて、両者を自分の作品の中に融合しようと試みた。