常設作品紹介
ブロンズ 220×71×82 cm(2体)
高村光太郎は、荻原守衛らと並ぶ日本近代彫刻の先駆。優れた詩人、評論家でもあった光太郎は、ロダンによって啓発された西洋近代彫刻論を雑誌などで発表し、当時の日本の美術界に大きな影響を与えた。この作品は十和田湖畔に立つ《乙女の像》(1953年)と同じもので、同一の裸婦像が向かい合わせになっている。作家は、「湖水に映った自分の像を見つめている内に、同じ像を向かい合わせに置くことで何か深遠なものが生まれると感じた」と記している。この像が見せる穏やかな顔は、すでに亡くなっていた千恵子夫人の面影を思わせる。