彫刻の森美術館

常設作品紹介

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有田暁子  (日本  1944-)

「足跡」1971

塗料 25×9 cm(200個)

この足跡は何だろう。有田は、制作時に次の言葉を残している。「この足跡のパターンは、かつてこの空間で展開されたある人々の行動の過程を表わしたものである。私たちにとって本来その全てが無であった筈の人々の行動が、それをもたらした認識・思考・意志の過程が、時の流れを越えて今なお空間を支配し、私たちに強力に働きかけてくる」。誰のどんな生の痕跡なのかは、わからない。けれど、知らず知らずの内に人々はこの足跡を辿り、振り返ってみる。見る人にそんな働きかけをする作品である。